Nature ハイライト

量子光学:LIGOで量子限界を超える

Nature 583, 7814

量子光によって物体の位置を最大限の精度で連続的に測定する場合、ハイゼンベルクの不確定性原理によって、達成可能な感度に基本的な制限が課される。これは、物体(例えば鏡)にかかる光の圧力量の不確定性と、検出した反射光子の数の不確定性の間の釣り合いの形をとる。この量子限界を超える唯一の方法は、測定対象の物体の位置あるいは運動量と、物体で反射する光の性質との間に量子相関を導入することである。今回H Yuたちは、こうした種類の量子相関が、LIGOのレーザービームの位相と40 kgの鏡の位置との間で自然に確立されることを示している。こうした相関の利用が、重力波検出器の精度を今以上に高めるカギを握っている可能性がある。

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