Nature ハイライト
生化学:塩基対のコンホメーション切り換えの重要性
Nature 583, 7814
マイクロRNA(miRNA)を介した抑制は、miRNAがその「シード」配列を介して標的メッセンジャーRNA(mRNA)に結合することによって始まる。今回K Petzoldたちは、抑制が起こるには、相補的な塩基対形成だけでは不十分であることを見いだしている。それどころか、その後に1個の塩基対の再編成が起こると、新たな同軸的スタッキングが引き起こされ、これによってヘリックスがヒトアルゴノート2タンパク質によりぴったりとはまり込むようになるのが分かった。こうしてmiRNA–mRNA二本鎖が安定化され、遺伝子発現の抑制が強化される。
2020年7月2日号の Nature ハイライト
量子光学:LIGOで量子限界を超える
物性物理学:レーザーを用いた固体中の価電子の画像化
材料科学:ヒトのエナメル質微結晶の超微細構造
ゲノミクス:原発性免疫不全の遺伝学的特徴
神経科学:齧歯類における冬眠様状態の誘導
神経科学:マウスでトーパーを引き起こす
免疫学:老化細胞を除去するCAR T細胞療法
腫瘍生物学:好中球細胞外トラップ中のDNAが転移を促進する
生化学:塩基対のコンホメーション切り換えの重要性
膜の生物物理学:電位はどのようにしてイオンチャネルを開くのか
構造生物学:インフルエンザウイルス融合タンパク質のコンホメーション変化を捉える