Nature ハイライト
構造生物学:インフルエンザウイルス融合タンパク質のコンホメーション変化を捉える
Nature 583, 7814
インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質は、ウイルスエンベロープと細胞膜とを融合させる働きをする。融合の引き金はエンドソーム内部の酸性化である。D Bentonたちは今回、エンドソームpHの中性から酸性への変化につれて起こるヘマグルチニンタンパク質の構造再構築をクライオ電子顕微鏡によって観察している。その結果、これまで報告されていなかった3つの中間的コンホメーションが捉えられ、ヘマグルチニンのコンホメーションの動的再構築によって、それが仲介する膜融合が進む様子が明らかになった。
2020年7月2日号の Nature ハイライト
量子光学:LIGOで量子限界を超える
物性物理学:レーザーを用いた固体中の価電子の画像化
材料科学:ヒトのエナメル質微結晶の超微細構造
ゲノミクス:原発性免疫不全の遺伝学的特徴
神経科学:齧歯類における冬眠様状態の誘導
神経科学:マウスでトーパーを引き起こす
免疫学:老化細胞を除去するCAR T細胞療法
腫瘍生物学:好中球細胞外トラップ中のDNAが転移を促進する
生化学:塩基対のコンホメーション切り換えの重要性
膜の生物物理学:電位はどのようにしてイオンチャネルを開くのか
構造生物学:インフルエンザウイルス融合タンパク質のコンホメーション変化を捉える