Nature ハイライト
情報技術:畳み込みニューラルネットワークの光実装
Nature 589, 7840
畳み込みニューラルネットワークは、強力な人工ニューラルネットワークの一種で、生物の視覚野系から着想を得ており、コンピュータービジョン、音声認識、医療診断などの機械学習タスクに魅力的である。光技術を用いてそうしたネットワークを実装すれば、超高速な計算速度での動作を実現できる可能性があるが、光ニューラルネットワークの性能はこれまでかなり低かった。今回D Mossたちは、毎秒10テラ回を超える演算速度で動作可能な光ベクトル畳み込みアクセラレーターを実証している。彼らはさらに、そうしたハードウエアを使って、MNISTデータベースから得た手書きの数字画像を、88%の確度で正しく認識できる光畳み込みニューラルネットワークを作成した。この手法は、集積化したマイクロコム源を利用しているため、自律型ロボットや実時間動画認識などの要求の厳しい用途向けのはるかに複雑なネットワークに拡張して訓練できると考えられる。
2021年1月7日号の Nature ハイライト
原子物理学:極低温原子を通して2層材料の物理を調べる
情報技術:畳み込みニューラルネットワークの光実装
情報技術:CMOS適合フォトニック・テンソルコア
物性物理学:単一欠陥フォノンの電子顕微鏡画像化
進化学:タンガニーカ湖のシクリッド類の脈動的な放散
疫学:移動ネットワークモデルがCOVID-19の不平等を予測し、活動再開計画に情報をもたらす
神経科学:海馬と橋のネットワークの波が脳の状態を調整する
分子生物学:染色体末端の保護の再検討
コロナウイルス:SARS-CoV-2のコーディング能力
免疫学:肝臓におけるクッパー細胞の空間的分離の調節
微生物学:マイコバクテリアATP合成酵素へのベダキリン結合の分子基盤