Nature ハイライト
進化学:タンガニーカ湖のシクリッド類の脈動的な放散
Nature 589, 7840
アフリカ大湖沼のカワスズメ科魚類(シクリッド類)は、古くから適応放散を研究する進化生物学者たちの関心を集めてきた。各湖沼には他では見られない種が数十ないし数百も存在し、それぞれが独自のニッチに適応していることから、これらの魚類が単一またはごく少数の祖先から高速で進化したと示唆されている。今回W Salzburgerたちは、タンガニーカ湖の既知のシクリッド類全種を網羅する進化系統樹を構築している。得られた系統樹からは、これらのシクリッド類の適応放散が、現在の湖の閉鎖的空間内で起こったこと、漸進的でも無秩序でもなく脈動的に進行したこと、そして種の豊富さはゲノム規模の多様性と正に相関するが、正の選択、転位性遺伝因子の量、遺伝子重複のシグネチャーとは相関しないことが示された。
2021年1月7日号の Nature ハイライト
原子物理学:極低温原子を通して2層材料の物理を調べる
情報技術:畳み込みニューラルネットワークの光実装
情報技術:CMOS適合フォトニック・テンソルコア
物性物理学:単一欠陥フォノンの電子顕微鏡画像化
進化学:タンガニーカ湖のシクリッド類の脈動的な放散
疫学:移動ネットワークモデルがCOVID-19の不平等を予測し、活動再開計画に情報をもたらす
神経科学:海馬と橋のネットワークの波が脳の状態を調整する
分子生物学:染色体末端の保護の再検討
コロナウイルス:SARS-CoV-2のコーディング能力
免疫学:肝臓におけるクッパー細胞の空間的分離の調節
微生物学:マイコバクテリアATP合成酵素へのベダキリン結合の分子基盤