Nature ハイライト
物性物理学:単一欠陥フォノンの電子顕微鏡画像化
Nature 589, 7840
結晶欠陥は、フォノンと相互作用することによって固体の熱的特性に影響を及ぼすが、大半のフォノン検出実験方法には必要とされる空間分解能がないため、この相互作用を直接調べるのは難しかった。今回X Panたちは、透過型電子顕微鏡における振動分光法によって個々の結晶欠陥の振動スペクトルをマッピングできることを示し、立方晶炭化ケイ素における積層欠陥近傍の音響振動モードのエネルギーと強度がシフトし、これらのシフトが積層欠陥の数ナノメートル以内に限定されていることを明らかにしている。従って、最先端の透過型電子顕微鏡によって欠陥周囲のフォノン伝播の直接マッピングへの道が開かれ、これによって物質の熱的特性の設計指針が得られる可能性がある。
2021年1月7日号の Nature ハイライト
原子物理学:極低温原子を通して2層材料の物理を調べる
情報技術:畳み込みニューラルネットワークの光実装
情報技術:CMOS適合フォトニック・テンソルコア
物性物理学:単一欠陥フォノンの電子顕微鏡画像化
進化学:タンガニーカ湖のシクリッド類の脈動的な放散
疫学:移動ネットワークモデルがCOVID-19の不平等を予測し、活動再開計画に情報をもたらす
神経科学:海馬と橋のネットワークの波が脳の状態を調整する
分子生物学:染色体末端の保護の再検討
コロナウイルス:SARS-CoV-2のコーディング能力
免疫学:肝臓におけるクッパー細胞の空間的分離の調節
微生物学:マイコバクテリアATP合成酵素へのベダキリン結合の分子基盤