Nature ハイライト
分子生物学:染色体末端の保護の再検討
Nature 589, 7840
テロメアは染色体の末端の削り込みや望ましくないDNA修復から保護している。TRF2は、テロメア特異的なシェルタリンタンパク質複合体の構成要素であり、Tループ構造内に末端テロメア反復配列を隔離することで末端保護を促進して染色体融合を防いでいる。体細胞でTRF2を欠失させるとTループが形成されず、その結果、染色体の末端同士が融合して細胞死が起こる。意外なことに、今週号の2編の論文ではS BoultonたちとE Denchiたちがそれぞれ、TRF2は、多能性を持つ胚性幹細胞や胚盤葉上層幹細胞では染色体の末端保護にほぼ必要ないことを示している。これらの細胞では、TループがTRF2非依存的に形成されており、異なる機構でテロメアが保護されているのである。
2021年1月7日号の Nature ハイライト
原子物理学:極低温原子を通して2層材料の物理を調べる
情報技術:畳み込みニューラルネットワークの光実装
情報技術:CMOS適合フォトニック・テンソルコア
物性物理学:単一欠陥フォノンの電子顕微鏡画像化
進化学:タンガニーカ湖のシクリッド類の脈動的な放散
疫学:移動ネットワークモデルがCOVID-19の不平等を予測し、活動再開計画に情報をもたらす
神経科学:海馬と橋のネットワークの波が脳の状態を調整する
分子生物学:染色体末端の保護の再検討
コロナウイルス:SARS-CoV-2のコーディング能力
免疫学:肝臓におけるクッパー細胞の空間的分離の調節
微生物学:マイコバクテリアATP合成酵素へのベダキリン結合の分子基盤