Nature ハイライト
Cover Story:深海潜水艇:魚をまねて海洋の最深部を調べる電源内蔵型ソフトロボット
Nature 591, 7848
深海の条件は極端なため、地球のこの領域はまだほとんど調べられていない。今回T Liたちは、1万1000 mに近い深さで稼働し得るソフトロボットについて報告している。このロボットは、深海に生息するマリアナスネイルフィッシュ(Pseudoliparis swirei)に着想を得て設計された。このロボットは、さまざまな電子部品が艇体全体に分散して配置されており、それらは全て柔軟なシリコーンマトリックスに包まれているために、極端な圧力に耐えられるようになっている。著者たちは、今回のロボットを、南シナ海の深さ3224 mの海域とマリアナ海溝の深さ最大1万900 mの海域で試験し、動作させることに成功した。表紙は、今回開発されたロボットと、これに着想を与えたマリアナスネイルフィッシュを共に描いた想像図である。
2021年3月4日号の Nature ハイライト
量子情報:フォトニック量子コンピューティング向けのプログラマブル・ナノフォトニックチップ
光物理学:モアレポラリトン
地球科学:粒界での応力誘起アモルファス化が引き金となるマントル変形
進化学:ダイアウルフとハイイロオオカミの間に遺伝子流動はなかった
遺伝学:COVID-19の重篤疾患に関連する遺伝的座位
神経科学:脳空間を再構築する
コロナウイルス:COVID-19重症患者では単球のISG群誘導が障害されている
生化学:溶解性細胞死におけるNINJ1の役割
生物物理学:相分離した細胞内液体のオートファジー
生化学:細胞内でタンパク質の反応速度論的性質を測定する
構造生物学:明らかになったクエン酸輸送機構