Nature ハイライト
物性物理学:モアレグラフェンにおけるスピン三重項超伝導
Nature 595, 7868
モアレグラフェンにおける相関電子相は、非従来型超伝導体に見られる相関電子相に似ている。これは、モアレグラフェンにおける超伝導相の対形成機構が、従来型の電子–フォノン結合とは異なることを示している。今回P Jarillo-Herreroたちは、魔法角ねじれ3層グラフェンにおける、スピン三重項対形成の特徴を報告している。より具体的に、著者たちは、面内磁場において、パウリ極限の大きな破れとリエントラント超伝導を報告している。モアレグラフェンにおけるスピン三重項超伝導の存在に関する主張をより決定的なものにするには、今後の実験研究と理論研究が必要である。
2021年7月22日号の Nature ハイライト
惑星科学:金星の夜側の大気循環が明らかに
ナノスケール材料:アクシオン絶縁体における磁気電気結合
物性物理学:モアレグラフェンにおけるスピン三重項超伝導
生体力学:流れに従って生きる
神経科学:覚醒状態が感覚処理を変化させる
微生物学:微生物代謝物の酢酸は腸のIgAのトラフィックを調節する
コロナウイルス:脳におけるSARS-CoV-2感染のマッピング
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイク変異株に対するBNT162b2誘導性の抗体およびT細胞応答
免疫学:腫瘍の浸潤とプログレッションにおける組織常在型マクロファージの役割
細胞生物学:凝集体をしっかりと捕まえる
構造生物学:GPCRシグナル伝達がキナーゼにより調節される仕組み