Nature ハイライト
構造生物学:GPCRシグナル伝達がキナーゼにより調節される仕組み
Nature 595, 7868
Gタンパク質共役受容体(GPCR)のシグナル伝達は、GPCR特異的キナーゼ(GRK)によるリン酸化によって終了し、これがアレスチンタンパク質の結合につながることが多い。GRKはそれ自体が、シグナル伝達経路で重要な働きをしている。GPCR–GRK複合体は一過的に生じるため、それらを構造学的に研究することは特に困難であった。今回J Tesmerたちは、GRK1と結合したロドプシンの複数の構造を報告し、得られた知見を質量分析により検証している。これらのデータから、複合体形成が起こる仕組みが明らかになり、著者たちは、少数のGRKがどのようにして数百に及ぶGPCRを選び出すことができるのかについて、より一般的な機構を提案している。
2021年7月22日号の Nature ハイライト
惑星科学:金星の夜側の大気循環が明らかに
ナノスケール材料:アクシオン絶縁体における磁気電気結合
物性物理学:モアレグラフェンにおけるスピン三重項超伝導
生体力学:流れに従って生きる
神経科学:覚醒状態が感覚処理を変化させる
微生物学:微生物代謝物の酢酸は腸のIgAのトラフィックを調節する
コロナウイルス:脳におけるSARS-CoV-2感染のマッピング
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイク変異株に対するBNT162b2誘導性の抗体およびT細胞応答
免疫学:腫瘍の浸潤とプログレッションにおける組織常在型マクロファージの役割
細胞生物学:凝集体をしっかりと捕まえる
構造生物学:GPCRシグナル伝達がキナーゼにより調節される仕組み