Nature ハイライト
免疫学:腫瘍の浸潤とプログレッションにおける組織常在型マクロファージの役割
Nature 595, 7868
マクロファージは、腫瘍病変で最も大きな区画の1つを占め、腫瘍免疫抑制で主要な役割を持っていることから、免疫療法における重要な標的となっている。しかし、おそらくは腫瘍関連マクロファージの多様性に関する理解が不完全であるために、マクロファージの標的化は難しいことが分かっている。M Casanova-Acebesたちは今回、ヒトの非小細胞肺がん(NSCLC)と、同所性マウスモデルで包括的な分子プロファイリングを行い、がんのプログレッションにおける骨髄系細胞の役割について調べ、組織常在型マクロファージと、新たに誘導されて後に腫瘍関連マクロファージに分化する単球の相対的な役割を評価している。その結果、初期肺がんの浸潤性に対する組織常在型マクロファージ系統の独特な関与が明らかになり、組織常在型マクロファージが、初期肺がん病変の治療に対する新たな標的候補として確立された。
2021年7月22日号の Nature ハイライト
惑星科学:金星の夜側の大気循環が明らかに
ナノスケール材料:アクシオン絶縁体における磁気電気結合
物性物理学:モアレグラフェンにおけるスピン三重項超伝導
生体力学:流れに従って生きる
神経科学:覚醒状態が感覚処理を変化させる
微生物学:微生物代謝物の酢酸は腸のIgAのトラフィックを調節する
コロナウイルス:脳におけるSARS-CoV-2感染のマッピング
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイク変異株に対するBNT162b2誘導性の抗体およびT細胞応答
免疫学:腫瘍の浸潤とプログレッションにおける組織常在型マクロファージの役割
細胞生物学:凝集体をしっかりと捕まえる
構造生物学:GPCRシグナル伝達がキナーゼにより調節される仕組み