Nature ハイライト
発生生物学:ヒトの胚性幹細胞から形成体を誘導
Nature 558, 7708
羊膜類に属する脊椎動物の胚は、発生中は胚体外膜に取り囲まれており、一群の細胞が形成体(オーガナイザー)の性質を獲得して、その後の神経系の発生を誘導する。しかし、ヒトの発生における形成体の存在は、まだ明確にされていなかった。A Brivanlouたちは今回、マイクロパターンを形成したヒト胚性幹細胞コロニーを使って、Wntとアクチビンの刺激により、原条の特徴を持つ細胞群と形成体が誘導されることを明らかにしている。誘導された形成体は、ニワトリ胚を宿主としたモデル系において二次軸形成に寄与し、神経細胞運命を誘導した。
2018年6月7日号の Nature ハイライト
工学:アナログメモリーを用いたニューラルネットワーク訓練の高速化
古生態学:塩水を好んでいた初期の四肢類
神経科学:視覚野の運動方向選択性
核物理学:大きな課題を1つ乗り越えた量子色力学
物性物理学:電流を曲げると現れる熱電効果
気候変動:進路の途中で停滞する熱帯低気圧
哺乳類進化学:最初期の哺乳類の系統発生を明らかにする
群集生態学:都市化が体サイズに及ぼす影響
発生生物学:ヒトの胚性幹細胞から形成体を誘導
免疫学:Hippoは代謝と免疫機能を連動させる