Nature ハイライト
古代ゲノミクス:シベリア北東部のヒトの集団史
Nature 570, 7760
今回、E Willerslevたちによって、現在の極東ロシアに当たるシベリア北東部から得られた34例の古代ゲノムが報告されている。これらの古代ゲノムには、この地域で見つかったヒトの遺物としては最古である、ヤナRHS遺跡から得られた良質のゲノム2例が含まれる。解析の結果、シベリア北東部の複雑な集団史の詳細が明らかになり、後期更新世から完新世の初期にかけて主要な集団移動とそれに続く大規模な置き換わりが少なくとも3回あり、その後の完新世を通してより小規模な集団の流動があったことが示された。ヤナRHS遺跡に代表されるシベリア北東部の最初の居住者は、分岐年代の古い初期ユーラシア人系統の最初期の子孫であるとともに、西ユーラシア人が東アジア人から分岐して間もない約3万8000年前に西ユーラシア人からさらに分岐した集団であった。
2019年6月13日号の Nature ハイライト
古代ゲノミクス:シベリア北東部のヒトの集団史
量子物理学:極超音速の凝縮体
化学:単一分子内での電子スピンの制御
タンパク質工学:生体触媒反応の改良
大気化学:同位体データで絞り込まれた対流圏オゾン濃度の変化
古生物学:最初の菌類
古代ゲノミクス:古エスキモーのゲノム
微生物学:休眠による防御
免疫学:炎症性関節疾患の病因における滑膜繊維芽細胞の役割
構造生物学:二本鎖RNAウイルスで明らかになった一巻き型のゲノム編成
構造生物学:ポータルを通ってパッケージングされたHSV-1のDNAを可視化