Nature ハイライト
免疫学:炎症性関節疾患の病因における滑膜繊維芽細胞の役割
Nature 570, 7760
C Buckleyたちは今回、単一細胞解析を用いることで、関節炎の際に免疫介在性炎症を仲介する繊維芽細胞サブグループと関節損傷を仲介する繊維芽細胞サブグループを特定した。これらのサブグループは、遺伝子や細胞表面分子の発現パターンが異なることを特徴としており、滑膜中の異なる部位に存在する。このため、異なるタイプの関節炎(例えば、関節リウマチと変形性関節症など)でしばしば観察される炎症や組織損傷の違いには、細胞学的のみならず解剖学的な基盤もあることが示唆される。これらの知見は、造血細胞に異なるサブセットが観察されるのと同様に、間葉系細胞にも機能的に異なるサブセットがあるという考えを支持するものであり、この発見は治療を目的とした繊維芽細胞の操作に新たな機会を開くかもしれない。
2019年6月13日号の Nature ハイライト
古代ゲノミクス:シベリア北東部のヒトの集団史
量子物理学:極超音速の凝縮体
化学:単一分子内での電子スピンの制御
タンパク質工学:生体触媒反応の改良
大気化学:同位体データで絞り込まれた対流圏オゾン濃度の変化
古生物学:最初の菌類
古代ゲノミクス:古エスキモーのゲノム
微生物学:休眠による防御
免疫学:炎症性関節疾患の病因における滑膜繊維芽細胞の役割
構造生物学:二本鎖RNAウイルスで明らかになった一巻き型のゲノム編成
構造生物学:ポータルを通ってパッケージングされたHSV-1のDNAを可視化