Nature ハイライト
構造生物学:二本鎖RNAウイルスで明らかになった一巻き型のゲノム編成
Nature 570, 7760
二本鎖(ds)RNAウイルスでは複製や転写がウイルス粒子中で起こるので、dsRNAウイルスは、そのゲノムをRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)と共にパッケージングしなければならない。多くのdsRNAウイルスは分節型のゲノムを含んでいる。dsRNAウイルスでのRNAのパッケージングについて、以前に報告された例では、各分節がRdRPと結合し、一巻きではない形でパッケージングされることが示されている。これとは対照的に、dsDNAウイルスのゲノムは一巻き様式でパッケージングされることが知られている。J Huiskonenたちは今回、高分解能クライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いて、このタイプの一巻き型ゲノムパッケージングはdsDNAウイルスに限られたものではなく、シストウイルス科(Cystoviridae)のdsRNAウイルスが同様のやり方でゲノムをパッケージングしていることを明らかにしている。
2019年6月13日号の Nature ハイライト
古代ゲノミクス:シベリア北東部のヒトの集団史
量子物理学:極超音速の凝縮体
化学:単一分子内での電子スピンの制御
タンパク質工学:生体触媒反応の改良
大気化学:同位体データで絞り込まれた対流圏オゾン濃度の変化
古生物学:最初の菌類
古代ゲノミクス:古エスキモーのゲノム
微生物学:休眠による防御
免疫学:炎症性関節疾患の病因における滑膜繊維芽細胞の役割
構造生物学:二本鎖RNAウイルスで明らかになった一巻き型のゲノム編成
構造生物学:ポータルを通ってパッケージングされたHSV-1のDNAを可視化