Nature ハイライト
古生物学:最初の菌類
Nature 570, 7760
菌類の化石記録における最初の明確な記録は、陸上に生命が存在したことを示す最初のしるしと結び付けられていて、これは約4億年前の頁岩に存在する。C Loronたちは今回、菌類の化石記録を原生代の中期にまでさかのぼらせた。これは、カナダ北極域の10億~9億年前の頁岩中に保存されていた、有機物からなる細胞壁を持つ多細胞生物の微化石の大量の記録によるものである。これらの微化石はOurasphaira giraldaeのもので、その形態は菌類の特徴を示していて、複数に分枝した有隔菌糸を持ち、キチンの存在が明らかになった。これはキチンの存在を示す最古の地質学的記録で、菌類との類似性を強く示している。この記録はまた、オピストコンタ(後生動物、菌類とそれらに類縁の原生生物から構成される)の起源を原生代にまでさかのぼらせるものである。
2019年6月13日号の Nature ハイライト
古代ゲノミクス:シベリア北東部のヒトの集団史
量子物理学:極超音速の凝縮体
化学:単一分子内での電子スピンの制御
タンパク質工学:生体触媒反応の改良
大気化学:同位体データで絞り込まれた対流圏オゾン濃度の変化
古生物学:最初の菌類
古代ゲノミクス:古エスキモーのゲノム
微生物学:休眠による防御
免疫学:炎症性関節疾患の病因における滑膜繊維芽細胞の役割
構造生物学:二本鎖RNAウイルスで明らかになった一巻き型のゲノム編成
構造生物学:ポータルを通ってパッケージングされたHSV-1のDNAを可視化