Nature ハイライト
微生物学:子宮内無菌仮説へ逆戻り
Nature 572, 7769
ヒトの子宮は、健康な妊娠では無菌であると長い間考えられてきたが、最近の研究からは、ヒトの胎盤には独自の微生物相があることが示唆されている。この疑問を正確に調べるには、経膣分娩と帝王切開分娩を対比させたさまざまな出産転帰を含む大きなサンプルサイズに加えて、方法間での一致を判定するための、そして可能性のあるコンタミネーションの原因を特定するための厳密な実験対照群が必要となる。M de Goffauたちは今回、そのような研究の結果を報告しており、ヒトの胎盤には微生物相がないことを明らかにしている。ただし、試料の約5%では、日和見病原体であるB群連鎖球菌が見つかった。これらの知見は、胎盤の細菌感染は妊娠の有害転帰における一般的な原因ではないこと、そして、ヒトの胎盤は通常は無菌であることを示唆している。
2019年8月15日号の Nature ハイライト
微生物学:子宮内無菌仮説へ逆戻り
心血管疾患:LMNA変異が誘発する不整脈の原因となる機序が判明
細胞生物学:植物が塩を感知する仕組み
構造生物学:カルモジュリンはRyR2に対してどのように作用するのか
天体物理学:反復しない高速電波バーストの位置が特定された
惑星科学:原始木星に起こった巨大衝突
気候科学:1.5℃目標のための炭素予算を上回る化石燃料インフラの排出量
病原体:微生物のユビキチン化を修飾する
免疫学:CD24はヒト固形腫瘍における自然免疫チェックポイントである
がん:メチオニンの食餌療法は腫瘍増殖を調節する
腫瘍生物学:フェロトーシスを防ぐ