Nature ハイライト
細胞生物学:植物が塩を感知する仕組み
Nature 572, 7769
土壌の高い塩分濃度は、植物の成長、ひいては作物の生産に悪影響を与える。塩ストレスに対する細胞レベルの重要な初期応答はCa2+シグナル伝達の亢進であり、これによってNa+は細胞外へと排出される。しかし、細胞がどのように塩を感知しているのかは、これまで明らかにされていなかった。Z Peiたちは今回、このミッシングリンクを解明する手掛かりを得ている。植物の細胞膜のスフィンゴ脂質であるGIPC(グリコシルイノシトールホスホリルセラミド)が、Na+と結合してCa2+の細胞内への流入を許容することで、細胞や生体において塩が誘発する一連の応答を仲介していることが明らかになったのである。
2019年8月15日号の Nature ハイライト
微生物学:子宮内無菌仮説へ逆戻り
心血管疾患:LMNA変異が誘発する不整脈の原因となる機序が判明
細胞生物学:植物が塩を感知する仕組み
構造生物学:カルモジュリンはRyR2に対してどのように作用するのか
天体物理学:反復しない高速電波バーストの位置が特定された
惑星科学:原始木星に起こった巨大衝突
気候科学:1.5℃目標のための炭素予算を上回る化石燃料インフラの排出量
病原体:微生物のユビキチン化を修飾する
免疫学:CD24はヒト固形腫瘍における自然免疫チェックポイントである
がん:メチオニンの食餌療法は腫瘍増殖を調節する
腫瘍生物学:フェロトーシスを防ぐ