Nature ハイライト

病原体:微生物のユビキチン化を修飾する

Nature 572, 7769

細菌性病原体であるレジオネラ菌Legionella pneumophilaでは、SidEを介したユビキチン化がレジオネラ症発病プログラムで重要な役割を担っており、このユビキチン化は、エフェクタータンパク質であるSidJにより負に調節されているが、その機構はまだ解明されていない。今回、I DikicたちとZ Luoたちによる2つの研究で、SidJはグルタミラーゼとして機能して、SidEリガーゼであるSdeAのモノADPリボシルトランスフェラーゼ(mART)ドメイン中にある、触媒活性を担うグルタミン酸を修飾し、その結果としてSdeAのユビキチンリガーゼ活性を阻害することが明らかにされた。これは、宿主タンパク質のカルモジュリンに依存し、細胞内Ca2+レベルにより調節される。これらの2つの研究で示された構造と機能に関するデータから、細菌による発病の新たな機構の1つが明らかになり、グルタミラーゼの調節と機能に関するさらなる手掛かりを得る機会がもたらされた。

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