Nature ハイライト
気候科学:1.5℃目標のための炭素予算を上回る化石燃料インフラの排出量
Nature 572, 7769
化石燃料のエネルギーインフラの継続的な拡大は、すでに「約束されている」将来のCO2排出量が気候変動の緩和目標と相いれない可能性があることを意味している。今回D Tongたちは、化石燃料インフラと約束排出量をボトムアップで包括的に評価している。その結果、既存のインフラと提案されているインフラからの約束排出量は、66〜50%の確率で平均気温の上昇を1.5℃に抑えるための残りの全炭素予算を上回っており、平均気温の上昇を2℃未満に抑えるための残りの炭素予算のおそらく3分の2に相当することを見いだしている。今回の知見は、パリ協定の気候目標を満たすには、CO2を排出する新たなインフラは、ほとんどあるいは全く稼働できず、既存のインフラをより早く引退させるか、炭素回収貯留技術を組み込む必要がある可能性を示唆している。
2019年8月15日号の Nature ハイライト
微生物学:子宮内無菌仮説へ逆戻り
心血管疾患:LMNA変異が誘発する不整脈の原因となる機序が判明
細胞生物学:植物が塩を感知する仕組み
構造生物学:カルモジュリンはRyR2に対してどのように作用するのか
天体物理学:反復しない高速電波バーストの位置が特定された
惑星科学:原始木星に起こった巨大衝突
気候科学:1.5℃目標のための炭素予算を上回る化石燃料インフラの排出量
病原体:微生物のユビキチン化を修飾する
免疫学:CD24はヒト固形腫瘍における自然免疫チェックポイントである
がん:メチオニンの食餌療法は腫瘍増殖を調節する
腫瘍生物学:フェロトーシスを防ぐ