Nature ハイライト

精密測定:微細構造定数の精密測定の予想外の結果

Nature 588, 7836

微細構造定数は、光と荷電素粒子の電磁相互作用の強さを決めるもので、物理的実体のほぼ全ての数学的記述に登場する。今回L Morelたちは、ルビジウム(Rb)原子の反跳速度の物質波干渉測定によって、その値を1兆分の81の精度で測定したことを報告している。彼らの見積もりは、これまでの最良の測定結果とは5標準偏差以上異なっており、標準模型の多くの基本的検証に影響を及ぼす。今回の結果によって、電子のg因子の予測値と測定値の間の不一致が小さくなり、励起ベリリウム8(8Be)原子核の異常な崩壊の説明が強く絞り込まれた。

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