Nature ハイライト

コロナウイルス:COVID-19に関連した炎症や急性肺障害における補体C5a–C5aRシグナル伝達の役割

Nature 588, 7836

J Carvelliたちは今回、補体C5a–C5aRシグナル伝達軸が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の急性肺障害や急性呼吸窮迫症候群を誘導する炎症回路において役割を持つことを支持する知見を報告している。COVID-19患者では、血漿中のC5aレベルが疾患の重症度を反映して上昇していた。また、COVID-19患者の血液と肺の骨髄系細胞では、C5aR1の発現上昇が見られた。C5aR1を標的とする治療用モノクローナル抗体は、C5aを介した好中球の活性化や遊走を阻害し、C5aによって誘導される急性肺障害のマウスモデルにおいて骨髄系細胞の誘導を阻害し、また、COVID-19患者から得られた単球によるC5a誘導性の炎症性サイトカインの分泌を減少させた。

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