Nature ハイライト
コロナウイルス:COVID-19に関連した炎症や急性肺障害における補体C5a–C5aRシグナル伝達の役割
Nature 588, 7836
J Carvelliたちは今回、補体C5a–C5aRシグナル伝達軸が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の急性肺障害や急性呼吸窮迫症候群を誘導する炎症回路において役割を持つことを支持する知見を報告している。COVID-19患者では、血漿中のC5aレベルが疾患の重症度を反映して上昇していた。また、COVID-19患者の血液と肺の骨髄系細胞では、C5aR1の発現上昇が見られた。C5aR1を標的とする治療用モノクローナル抗体は、C5aを介した好中球の活性化や遊走を阻害し、C5aによって誘導される急性肺障害のマウスモデルにおいて骨髄系細胞の誘導を阻害し、また、COVID-19患者から得られた単球によるC5a誘導性の炎症性サイトカインの分泌を減少させた。
2020年12月3日号の Nature ハイライト
精密測定:微細構造定数の精密測定の予想外の結果
物性物理学:グラフェンにおける磁性の電気的スイッチング
コンピューター科学:強化学習を用いた成層圏気球の航法
環境科学:海洋からの食料の可能性を探る
古生物学:カンブリア紀の中間的な節足動物
神経回路:異なる種類の口渇を制御する
細胞生物学:細胞の密集が心臓形成を促す仕組み
臨床研究:血清代謝物の起源
コロナウイルス:COVID-19に関連した炎症や急性肺障害における補体C5a–C5aRシグナル伝達の役割
細胞生物学:「孤児」だったSLC25A51の素性が判明