Nature ハイライト

細胞生物学:「孤児」だったSLC25A51の素性が判明

Nature 588, 7836

NAD+は、あらゆる生細胞の呼吸過程に含まれる必須の補因子である。ミトコンドリア内で起こるNAD+に依存した過程は関心を集めているが、哺乳類のミトコンドリアがどのような仕組みでNAD+を得て、蓄えているのかは、ほとんど解明されていない。酵母や植物はミトコンドリア内膜に埋め込まれたNAD+輸送体を持ち、その性質も詳しく知られているが、哺乳類のホモログはいまだに見つかっていなかった。今回T LuongoとJ Baurたちは、哺乳類のミトコンドリアもNAD+を取り込むことを明らかにし、ミトコンドリアのこれまで機能が不明だった必須タンパク質SLC25A51が、哺乳類ミトコンドリアへNAD+を運び込む輸送体であることを突き止めた。

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