Nature ハイライト
化学合成:コンピューター、次はどの実験をすればいい?
Nature 590, 7844
最適化は、合成化学のカギとなる部分である。薬剤類似化合物などの高価値化合物の合成に役立つ新反応の発見には、収率と生成物選択性を最高にする方法の決定が必要である。しかし、多くの可変要素(試薬、触媒、溶媒など)が関与する場合は特に、その過程は複雑になる可能性がある。今回A Doyleたちは、ベイズ最適化アルゴリズムを用いた合成支援を報告し、さまざまな有機反応についてこの手法を実証している。著者たちは、ソフトウエアツールを開発して典型的な実験室への組み込みを可能にするとともに、オンラインゲームを用いてベンチマーキングを行い、コンピューター誘導型の手法が科学者の効率と整合性の両方を向上させることを実証している。
2021年2月4日号の Nature ハイライト
物性物理学:室温のさびに見られる反強磁性スキルミオン
無機化学:アインスタイニウムに光を当てる
化学合成:コンピューター、次はどの実験をすればいい?
集団遺伝学:古いDNAから推測されるカリブ海地域の集団史
老化:プロスタグランジンの抑制は老齢マウスの認知機能を高める
コロナウイルス:フランスでの検査・追跡戦略の成果は芳しくない
コロナウイルス:COVID-19の死亡率には各国間で異なるパターンと一致するパターンがある
医学研究:細菌感染はマウスモデルで過敏性腸症候群を引き起こす
構造生物学:SAM複合体がタンパク質の組み込みを行う仕組み