Nature ハイライト
老化:プロスタグランジンの抑制は老齢マウスの認知機能を高める
Nature 590, 7844
我々の細胞では加齢に伴って損傷が蓄積し、それによって炎症の特徴である広範な応答が引き起こされる。これらの応答には、アテローム性動脈硬化症、がん、全身のフレイル、脳での認知機能低下などがある。P Minhasたちは今回、炎症の主要な調節因子である、プロスタグランジンE2(PGE2)と呼ばれるシグナル伝達分子を抑制することで、少なくともマウスにおいて、認知機能の低下がどのように停止し、回復すらし得るかについて明らかにしている。老齢マウスでPGE2を阻害すると、不活発な細胞が活性化し、炎症が減少して、記憶に関連する脳領域である海馬の可塑性が回復し、これは認知機能を回復させるのに十分だった。
2021年2月4日号の Nature ハイライト
物性物理学:室温のさびに見られる反強磁性スキルミオン
無機化学:アインスタイニウムに光を当てる
化学合成:コンピューター、次はどの実験をすればいい?
集団遺伝学:古いDNAから推測されるカリブ海地域の集団史
老化:プロスタグランジンの抑制は老齢マウスの認知機能を高める
コロナウイルス:フランスでの検査・追跡戦略の成果は芳しくない
コロナウイルス:COVID-19の死亡率には各国間で異なるパターンと一致するパターンがある
医学研究:細菌感染はマウスモデルで過敏性腸症候群を引き起こす
構造生物学:SAM複合体がタンパク質の組み込みを行う仕組み