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集団遺伝学:古いDNAから推測されるカリブ海地域の集団史

Nature 590, 7844

カリブ海地域の集団史については、約6000年前に最初に人類が定着してからヨーロッパ人航海者と接触するまでの期間の多くの側面が、激しい議論の対象となってきた。今回D Reichたちは、カリブ海地域各地の遺跡から出土した計174体の人骨から得たゲノム規模のデータを、既報の89人分のゲノムデータセットと共に解析することで、コロンブス以前の時代の集団サイズや人類の移動に関する知見を得ている。カリブ海地域への人類の移動には、2つの大きな波があったことを示す証拠が見いだされた。第一の波は、約3000年前の古期の石器を使用する人々の到達で、第二の波は、それまでの集団にほぼ完全に取って代わるような、約2000年前以前の土器時代の人々の到来だった。これらの波をもたらした集団は、中米や南米の人々を起源としていた。また、一帯の全体的な集団サイズはこの時代を通じて比較的小さかったことが推測された他、現在のカリブ海地域の人々が古期の人々ではなく土器時代の人々に由来することも見いだされた。

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