Nature ハイライト
構造生物学:SAM複合体がタンパク質の組み込みを行う仕組み
Nature 590, 7844
細胞質とミトコンドリアの間のコミュニケーションは、βバレルタンパク質が担っている。新たに合成されたβバレルタンパク質は、複数のサブユニットからなるSAMと呼ばれる複合体の働きによってミトコンドリア外膜に挿入される。SAM複合体は、中央のチャネル成分Sam50と2個の表在性サブユニットSam37、Sam35で構成されている。今回、遠藤斗志也(京都産業大学)たちは、クライオ電子顕微鏡を用いて、酵母の構造が異なる2つのSAM複合体(SAMdimer複合体とSAMMdm10複合体)の高分解能構造を決定している。これらの構造は、著者たちの生化学データと共に、機能中の複合体とサブユニットがそろった完全な構造の両方について、SAMサブユニットが果たす役割に関する手掛かりを与えるものだ。
2021年2月4日号の Nature ハイライト
物性物理学:室温のさびに見られる反強磁性スキルミオン
無機化学:アインスタイニウムに光を当てる
化学合成:コンピューター、次はどの実験をすればいい?
集団遺伝学:古いDNAから推測されるカリブ海地域の集団史
老化:プロスタグランジンの抑制は老齢マウスの認知機能を高める
コロナウイルス:フランスでの検査・追跡戦略の成果は芳しくない
コロナウイルス:COVID-19の死亡率には各国間で異なるパターンと一致するパターンがある
医学研究:細菌感染はマウスモデルで過敏性腸症候群を引き起こす
構造生物学:SAM複合体がタンパク質の組み込みを行う仕組み