Nature ハイライト
コロナウイルス:COVID-19の死亡率には各国間で異なるパターンと一致するパターンがある
Nature 590, 7844
今回M OʻDriscollたちは、45か国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連死データと22の国レベルの血清検査とを組み合わせて、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染者の年齢別の死亡率(IFR)を見積もり、国別の総感染者数を推定している。その結果、65歳未満の感染者の相対的な死亡リスクは各国間で一定だが、65歳以上の死亡数のばらつきは非常に大きく、報告されているよりもかなり多いことが分かった。このモデルは、地域的なばらつきにも対応可能であるため、推定された死亡数は地域的な感染動態を再現するための基準として使用することができる。著者たちは、このモデルを用いて、南米の多くの国々など発病率の高い国では65歳以上の死者数の多くが報告されていないこと、また、ヨーロッパでは介護施設でのアウトブレイク(集団発生)のために報告されている死者数がかなり多いことを明らかにした。
2021年2月4日号の Nature ハイライト
物性物理学:室温のさびに見られる反強磁性スキルミオン
無機化学:アインスタイニウムに光を当てる
化学合成:コンピューター、次はどの実験をすればいい?
集団遺伝学:古いDNAから推測されるカリブ海地域の集団史
老化:プロスタグランジンの抑制は老齢マウスの認知機能を高める
コロナウイルス:フランスでの検査・追跡戦略の成果は芳しくない
コロナウイルス:COVID-19の死亡率には各国間で異なるパターンと一致するパターンがある
医学研究:細菌感染はマウスモデルで過敏性腸症候群を引き起こす
構造生物学:SAM複合体がタンパク質の組み込みを行う仕組み