Nature ハイライト
コロナウイルス:フランスでの検査・追跡戦略の成果は芳しくない
Nature 590, 7844
G PullanoとL Di Domenicoたちは今回、行動データに対してパラメーター化された伝播モデルを使い、フランスにおいて、2020年春の全国的ロックダウン終了後、7週間にわたって発生した重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染の症候性症例数を推定している。彼らのモデル予測とウイルス学的に確認された症例数を比較したところ、ロックダウン後の患者数が少ない状況でも9割の症例は検出されていなかったことが分かった。検出率は時間がたつにつれて改善されたが、パンデミック(世界的大流行)を封じ込めるためにWHOが推奨するレベルには達しなかった。著者たちは、検査能力の拡大、より対象を絞った積極的な検査、そして疑い症例での医療機関受診行動の推奨という形で改善が必要だと論じている。
2021年2月4日号の Nature ハイライト
物性物理学:室温のさびに見られる反強磁性スキルミオン
無機化学:アインスタイニウムに光を当てる
化学合成:コンピューター、次はどの実験をすればいい?
集団遺伝学:古いDNAから推測されるカリブ海地域の集団史
老化:プロスタグランジンの抑制は老齢マウスの認知機能を高める
コロナウイルス:フランスでの検査・追跡戦略の成果は芳しくない
コロナウイルス:COVID-19の死亡率には各国間で異なるパターンと一致するパターンがある
医学研究:細菌感染はマウスモデルで過敏性腸症候群を引き起こす
構造生物学:SAM複合体がタンパク質の組み込みを行う仕組み