Nature ハイライト 生物物理:ミオシンVで特別配達 2006年7月13日 Nature 442, 7099 特定の成分を目的地へ間違いなく届けるために細胞が使う仕組みには関心が集まりつつあるが、ミオシンモータータンパク質は、このような輸送の多くを担っている。Liuたちは、動きを阻害された状態にあるミオシンVの3次元構造を決定し、今週号に発表している。この構造から、分子モーターを目的地から出発地点へ戻すという問題を解決する新しい仕組みが考えられる。ミオシンVは積み荷がないと小さくまとまった構造をもち、迅速なトレッドミル的動きをするアクチンフィラメントに結合する。一方、別の論文でThirumuruganたちは、積み荷がないとミオシンVの積み荷結合ドメインが自分のモータードメイン内にある特異的な標的に結合して、アクチンの線路に沿った移動を自分で阻害し、アクチンへの結合を弱めることを明らかにした。これら2つの報告から、細胞が積み荷の輸送をきちんと制御するための巧みな方法が明らかになってきた。 2006年7月13日号の Nature ハイライト 細胞:減数分裂を制御する 宇宙:最初の光 進化:藻類の「マット」を破壊する軟体動物 技術:溶液の解決策 気候:大気中のヒドロキシルラジカル 地球:震えるプレート 生態:酸性好み 細胞:新種のRNAi 生物物理:ミオシンVで特別配達 目次へ戻る