Nature ハイライト 気候:大気中のヒドロキシルラジカル 2006年7月13日 Nature 442, 7099 大気の酸化力は、主にヒドロキシルラジカル(OH)によって決まる。OHは、人間の健康、気候変化、作物の収穫量に影響を及ぼす汚染物質を除去するために重要な物質である。大気の酸化効率は、長期的には大気汚染の拡大によって損なわれるかもしれないと広く考えられているものの、OH濃度の変動傾向についてのデータは不足している。そこで、1999年〜2003年にドイツ南部のホーエンパイセンベルク気象観測所で得られた長期間の観測データは極めて歓迎すべきものと言える。このデータからは、OH濃度の変動傾向は見つからなかった。このラジカルが関与しうる可能性のある多くの化学反応を考慮したところ、意外なことに、OHの変動は太陽の紫外線放射と密接な線形関係を示すことがわかった。 2006年7月13日号の Nature ハイライト 細胞:減数分裂を制御する 宇宙:最初の光 進化:藻類の「マット」を破壊する軟体動物 技術:溶液の解決策 気候:大気中のヒドロキシルラジカル 地球:震えるプレート 生態:酸性好み 細胞:新種のRNAi 生物物理:ミオシンVで特別配達 目次へ戻る