Nature ハイライト 生理:心臓の修復 2007年1月11日 Nature 445, 7124 心臓発作後の筋細胞喪失を抑制することが知られているタンパク質チモシンβ4が、心臓自体の修復を指令していることが明らかになった。成体マウスでは、心臓の最外層にある前駆細胞がチモシンβ4に誘導されてさらに内部へと移動し、機能の低下した心臓を修復するのを助ける。これまでは、成体心臓の細胞は永久的な休止状態にあり、心臓組織の修復に関与する前駆細胞はすべて骨髄から移動すると考えられていた。チモシンβ4は血管形成を誘導するので、成体の心臓では、現在可能な修復方法より栄養補給のほうが有効なのかもしれない。 2007年1月11日号の Nature ハイライト 神経:触覚のベースにタッチ 海洋:足りない窒素を補充する 生理:心臓の修復 宇宙:球状星団でブラックホールが見つかった 物理:セラミックスに思わぬ難点 地球:火山ガスはあてにならない? 細胞:胚ではなくて巨大硫黄細菌? 発生:細胞運命は早い時期に決まる 目次へ戻る