Nature ハイライト 宇宙:明るいトランジェント天体を探る 2007年5月24日 Nature 447, 7143 天文学上重要な多くの発見は、一時的に出現する「トランジェントな」可視光源や電波源の観測から始まった。こうした理由から、2006年1月におとめ座銀河団中のメシエ85銀河に発見された、非常に明るい可視光トランジェントOT2006-1は非常に注目されている。Kulkarniたちは、新星よりは明るく超新星よりは暗かったこの新たな可視光源の発見と、その発見後の数カ月間の経緯について報告している。ハッブル宇宙望遠鏡やスピッツアー宇宙望遠鏡、チャンドラX線観測衛星によるこれまでの観測データをくまなく調べたところ、前駆天体の兆候はなかったことが明らかになった。この結果とホスト銀河の性質からすると、「明るい赤色新星」とよばれるようになったこのトランジェントは、2つの老いた星が合体して生じたものらしい。 2007年5月24日号の Nature ハイライト 医学:ハンチントン病発症の引き金 構造生物学:アミロイドのもつジッパー 物理:レーザー用のナノ結晶 宇宙:明るいトランジェント天体を探る 発生:四肢出現までのウォームアップ 気候:風の強い礁湖 生理:体内時計を動かす仕組み 医学:免疫系から逃れる腫瘍 細胞:紡錘体の配向を制御する 目次へ戻る