Nature ハイライト 構造生物学:アミロイドのもつジッパー 2007年5月24日 Nature 447, 7143 アルツハイマー病やパーキンソン病などの変性疾患は、脳内でのアミロイド繊維の沈積を伴う。繊維の構造は、構成タンパク質が多様であることを考えると、意外なくらい均一である。Sawayaたちは今回、広範なアミロイド病から30種の短い繊維形成ペプチドを探し出し、それらのうちの13種がつくる結晶の原子構造を解明した。これまでに調べられたペプチドは、どれもさまざまな「立体ジッパー」を形成して自己集合する。立体ジッパーとは、酵母プリオンタンパク質Sup35で最初に見つかった特徴的構造である。このジッパー構造はアミロイド繊維の強度を決める重要な性質である可能性があり、治療的介入の主要標的である。 2007年5月24日号の Nature ハイライト 医学:ハンチントン病発症の引き金 構造生物学:アミロイドのもつジッパー 物理:レーザー用のナノ結晶 宇宙:明るいトランジェント天体を探る 発生:四肢出現までのウォームアップ 気候:風の強い礁湖 生理:体内時計を動かす仕組み 医学:免疫系から逃れる腫瘍 細胞:紡錘体の配向を制御する 目次へ戻る