Nature ハイライト 進化:魚類から四肢動物への移行 2008年6月26日 Nature 453, 7199 デボン紀後期(約3億6,000万年前)の水中から陸上への脊椎動物の移行は、初期の四肢動物としてよく知られているイクチオステガ(Ichthyostega)とアカントステガ(Acanthostega)、および四肢動物に近い魚類であるティクタアリク(Tiktaalik)によって示されている。これら以外の種も多数見つかっているが、それらの化石標本は断片的であるために知名度が低い。ラトビアで発見された、デボン紀後期のヴェンタステガ・クロニカ(Ventastega curonica)はその1つである。最近発見された化石標本の新たな分析から、ヴェンタステガはティクタアリクとアカントステガの単純な中間体に似ており、頭蓋骨の形状は初期の四肢動物のものだが、その各部の比率は魚類に近いことが明らかになった。しかし、初期の四肢動物は形態が意外に多様であり、また、最初の多様化が起こったのは以前に考えられていたよりも早い年代であるため、魚類から四肢動物への移行はそれほど単純なものではないと考えられる。 2008年6月26日号の Nature ハイライト 進化:魚類から四肢動物への移行 発生:大きさに応じてパターンが調整される仕組み 物性:オキシプニクタイドの超伝導ギャップ 化学:二重触媒で複雑な分子を合成 気候:ハロゲンによる熱帯のオゾン破壊 地球:ガッケル海嶺における深海底火山活動をみる 遺伝:ゲノムは結構忙しい 脳:昆虫にも空間作業記憶がある 脳:報酬指向学習はニューロンの変化による 医学:備蓄する抗インフルエンザ薬の選び方 目次へ戻る