Nature ハイライト 化学:二重触媒で複雑な分子を合成 2008年6月26日 Nature 453, 7199 二重触媒エナンチオ選択的反応の有用性が、cyanthiwigin Fを保護基を用いずに迅速に合成することによって実証された。ジテルペノイドである(−)-cyanthiwigin Fは海洋天然物で、最初は海綿(Myrmekioderma styx)から単離された。二重触媒エナンチオ選択的反応は、同じ分子骨格内の離れた場所にいくつかの立体中心を形成することによって、1回の操作で立体化学的に複雑な分子を構築できる反応である。cyanthiwigin Fの9ステップ合成のうち重要なのは、ラセミおよびメソ・ジアステレオマーの複雑な混合物を、極めて良好な鏡像体過剰率で合成上有用な中間体へ変換するステップである。 2008年6月26日号の Nature ハイライト 進化:魚類から四肢動物への移行 発生:大きさに応じてパターンが調整される仕組み 物性:オキシプニクタイドの超伝導ギャップ 化学:二重触媒で複雑な分子を合成 気候:ハロゲンによる熱帯のオゾン破壊 地球:ガッケル海嶺における深海底火山活動をみる 遺伝:ゲノムは結構忙しい 脳:昆虫にも空間作業記憶がある 脳:報酬指向学習はニューロンの変化による 医学:備蓄する抗インフルエンザ薬の選び方 目次へ戻る