Nature ハイライト 物性:オキシプニクタイドの超伝導ギャップ 2008年6月26日 Nature 453, 7199 オキシプニクタイド化合物が約50 K以上の温度で超伝導性を示すことが発見されて以来、この非従来型超伝導の機構を探る研究が続けられている。今回、オキシプニクタイドであるSmFeAsO0.85F0.15で超伝導ギャップが初めて測定され、いくつかの手がかりが得られた。超伝導ギャップは、超伝導状態の性質と超伝導につながる対形成相互作用に関する定性的・定量的情報を表す重要な物理量である。Chenたちは、この超伝導体でシングルギャップを観測したことを報告している。このギャップのサイズと詳細にわたる温度依存性は、従来型「BCS」シングルギャップs波超伝導体で予想されるものに近く、高Tc銅酸化物でみられるd波擬ギャップという特徴やMgB2で観測される2ギャップ構造とは異なっている。 2008年6月26日号の Nature ハイライト 進化:魚類から四肢動物への移行 発生:大きさに応じてパターンが調整される仕組み 物性:オキシプニクタイドの超伝導ギャップ 化学:二重触媒で複雑な分子を合成 気候:ハロゲンによる熱帯のオゾン破壊 地球:ガッケル海嶺における深海底火山活動をみる 遺伝:ゲノムは結構忙しい 脳:昆虫にも空間作業記憶がある 脳:報酬指向学習はニューロンの変化による 医学:備蓄する抗インフルエンザ薬の選び方 目次へ戻る