Nature ハイライト 脳:昆虫にも空間作業記憶がある 2008年6月26日 Nature 453, 7199 複雑な環境内での視覚による定位には、環境内の目標物の位置を、一時的に見えなくなる場合に備えて記憶しておくことが必要である。脊椎動物にはこの能力が備わっており、これは空間作業記憶と呼ばれて、少なくとも数秒間は持続する作業記憶の一種である。Neuserたちは今回、ショウジョウバエをバーチャルリアリティー環境内において、視覚目標を見せて歩かせるという実験を行い、昆虫にもこの能力があることを示した。目標に向かって歩いているショウジョウバエを方向転換させ、目標を隠しても、移動後数秒間は目標の位置を記憶していた。この過程に関与しているのは、GABA作動性の環ニューロンである。 2008年6月26日号の Nature ハイライト 進化:魚類から四肢動物への移行 発生:大きさに応じてパターンが調整される仕組み 物性:オキシプニクタイドの超伝導ギャップ 化学:二重触媒で複雑な分子を合成 気候:ハロゲンによる熱帯のオゾン破壊 地球:ガッケル海嶺における深海底火山活動をみる 遺伝:ゲノムは結構忙しい 脳:昆虫にも空間作業記憶がある 脳:報酬指向学習はニューロンの変化による 医学:備蓄する抗インフルエンザ薬の選び方 目次へ戻る