Nature ハイライト 脳:報酬指向学習はニューロンの変化による 2008年6月26日 Nature 453, 7199 目標指向型の課題を行う能力には個人差があるが、このような報酬指向学習をもたらすニューロンの変化については、まだよくわかっていない。Tyeたちは、報酬である砂糖を自分で取るようにラットを訓練して、報酬指向学習が扁桃体の活動の活発化とシナプス強化に依存していることを明らかにした。扁桃体は、情動学習に重要な役割を果たす脳領域である。個々の動物が到達した学習レベルは、シナプス強度の増強の程度とよく相関していた。報酬指向学習の際の脳の変化について解明が進んだことは、生まれつき報酬学習が欠損している場合、あるいは薬物依存や摂食障害のような報酬学習の異常を治療する方法の開発に役立つだろう。 2008年6月26日号の Nature ハイライト 進化:魚類から四肢動物への移行 発生:大きさに応じてパターンが調整される仕組み 物性:オキシプニクタイドの超伝導ギャップ 化学:二重触媒で複雑な分子を合成 気候:ハロゲンによる熱帯のオゾン破壊 地球:ガッケル海嶺における深海底火山活動をみる 遺伝:ゲノムは結構忙しい 脳:昆虫にも空間作業記憶がある 脳:報酬指向学習はニューロンの変化による 医学:備蓄する抗インフルエンザ薬の選び方 目次へ戻る