Nature ハイライト 生理:BMP-7と肥満 2008年8月21日 Nature 454, 7207 BMP-7は当初、骨組織を誘導する因子として見つかったが、腎や神経に対する強力な再生作用ももっている。このBMP-7が、褐色脂肪細胞の分化促進によってエネルギー恒常性も調節していることが、今回明らかになった。ただし、白色脂肪細胞の分化は促進しない。BMP-7は、PRDM16(表紙記事の解説を参照)などの褐色脂肪調節因子や脂肪形成転写因子のスイッチをオンにし、ミトコンドリア生合成を促進する。マウスでBMP-7を異所発現させると褐色脂肪の量が増え、エネルギー消費が増加して体重が減少するが、白色脂肪の量は増えない。これらの結果が、肥満の治療に重要な意味をもつことは明らかである。 2008年8月21日号の Nature ハイライト 生理:BMP-7と肥満 気候:火星のオゾンの化学 化学:金触媒のサイズ効果 遺伝:シンプルライフの遺伝子 宇宙:銀河のフィラメント構造 進化:協力のための自殺 生態:海底下を支配する古細菌 細胞:大腸菌O157:H7の病原性 感覚:磁気センサーとしても働くクリプトクロム 目次へ戻る