Nature ハイライト 生態:海底下を支配する古細菌 2008年8月21日 Nature 454, 7207 海底深部から得られた堆積物試料についての最近の研究によって、海底深部には微生物細胞からなる広大な生物圏が潜んでいることが明らかになってきた。深海掘削調査によって、この生態系は細菌と古細菌の極めて多様な個体群からなることがわかっているが、これら2つの分類群のどちらが優占しているかについては、盛んな論争が行われてきた。広範囲にわたる海底下環境から得られた海底堆積物について、生細胞の指標である脂質の研究に基づく新たな解析により、優占しているのは細菌ではなく古細菌であることが示唆された。また、この研究から、海底下生物圏の大きさは900億トンと推定された。この値は他の情報を使って得られた推定値と一致しており、植物バイオマスの全球プールのほぼ5分の1に相当する。 2008年8月21日号の Nature ハイライト 生理:BMP-7と肥満 気候:火星のオゾンの化学 化学:金触媒のサイズ効果 遺伝:シンプルライフの遺伝子 宇宙:銀河のフィラメント構造 進化:協力のための自殺 生態:海底下を支配する古細菌 細胞:大腸菌O157:H7の病原性 感覚:磁気センサーとしても働くクリプトクロム 目次へ戻る