Nature ハイライト 宇宙:銀河のフィラメント構造 2008年8月21日 Nature 454, 7207 ハッブル宇宙望遠鏡から送られてきた画像により、ペルセウス座銀河団の中心にある巨大楕円銀河、NGC 1275から流出しているイオン化ガスが形成する明るいフィラメント内部の非常に詳細な構造が明らかになった。これらのフィラメントは、少なくとも108年という古さだと考えられているが、潮汐作用によるせん断力と、周囲を取り巻く極めて高温のガス(4×107 K)とがもたらす破壊的影響にもかかわらず、どのようにして安定性が維持されてきたのかは、よくわかっていなかった。今回、ハッブル望遠鏡による高解像度の画像で、フィラメント内部の糸状構造が明らかになった。この構造は、周囲のガスとの圧力平衡にある磁場の存在を示している可能性があり、この磁場によりフィラメントが安定化されて低温のガスが大量に蓄積し、星形成が遅れたのかもしれない。 2008年8月21日号の Nature ハイライト 生理:BMP-7と肥満 気候:火星のオゾンの化学 化学:金触媒のサイズ効果 遺伝:シンプルライフの遺伝子 宇宙:銀河のフィラメント構造 進化:協力のための自殺 生態:海底下を支配する古細菌 細胞:大腸菌O157:H7の病原性 感覚:磁気センサーとしても働くクリプトクロム 目次へ戻る