Nature ハイライト 遺伝:シンプルライフの遺伝子 2008年8月21日 Nature 454, 7207 センモウヒラムシは、現存する「最も単純な」自由生活動物とされることが多く、動物の初期起源をめぐる議論の主役となっている。センモウヒラムシは直径約1ミリメートルの円盤形をした板形動物で、水槽の壁に付着して生息しているところを最初に発見された。今回、センモウヒラムシ(Trichoplax adhaerens)のゲノムの塩基配列解読と解析が行われた。この動物は、刺胞動物や左右相称動物との最終共通祖先がもっていた多くの特徴をそのまま残しており、6億年以上前から存在していたと推定される。しかし同時に、この動物自身には全くみられない発生パターンや細胞種に関係した遺伝子もゲノム中に存在していることから、センモウヒラムシの生活環には、まだ見つかっていない段階が存在する可能性がある。 2008年8月21日号の Nature ハイライト 生理:BMP-7と肥満 気候:火星のオゾンの化学 化学:金触媒のサイズ効果 遺伝:シンプルライフの遺伝子 宇宙:銀河のフィラメント構造 進化:協力のための自殺 生態:海底下を支配する古細菌 細胞:大腸菌O157:H7の病原性 感覚:磁気センサーとしても働くクリプトクロム 目次へ戻る