Nature ハイライト 宇宙:暗黒物質の手がかり 2009年4月2日 Nature 458, 7238 宇宙線中の陽電子は、星間媒質中での相互作用によって生成されることが知られている。陽電子はまた、この「二次発生源」のほかに、パルサーやマイクロクエーサーのような一次発生源、あるいは暗黒物質の消滅によっても生成される可能性がある。宇宙線中の陽電子の割合が、PAMELA衛星実験のデータを用いて、1.5〜100 GeVのエネルギー範囲にわたって新たに測定された。今までの測定は、主として気球に搭載された機器によって行われ、これらによれば陽電子の割合は、宇宙線の原子核と星間物質の相互作用による「二次発生源」からの生成量と適合する。しかし10 GeV以上で、新しい測定値はこの予想から明らかにずれており、近傍の天体か暗黒物質粒子の消滅という、一次発生源の存在を示している。 2009年4月2日号の Nature ハイライト 宇宙:速やかに成長した大質量銀河 宇宙:暗黒物質の手がかり 物理:保存量になるスピン螺旋 地球:マントルプリュームの一生 生態:種が均衡しているほうが安全 視覚:見れば覚える 免疫:多様な抗体がHIVを攻撃する 医学:HIVは動く標的 細胞:ウイルスのプロキャプシドの構造 目次へ戻る