Nature ハイライト 医学:HIVは動く標的 2009年4月2日 Nature 458, 7238 HIVウイルス制御の成功を左右するヒト白血球抗原(HLA)-B*57、B*27、およびB*51といったHLA対立遺伝子に対してHIVが適応するかどうかを明らかにするために、北米、カリブ、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラレーシアとアジアから集めた500人以上のHIV感染者で、ウイルスの配列とHLAの型の解析が行われた。その結果から、HIVが免疫の選択圧に応じて集団レベルで進化していることが明らかになった。これは必ずしも、HIVがヒトに対する進化的闘争で勝利を収めることを示しているわけではないが、HIVに対して有効なワクチンは、インフルエンザ・ワクチンのように、免疫学的状況の変化に対応して改変していく必要があることを示唆している。 2009年4月2日号の Nature ハイライト 宇宙:速やかに成長した大質量銀河 宇宙:暗黒物質の手がかり 物理:保存量になるスピン螺旋 地球:マントルプリュームの一生 生態:種が均衡しているほうが安全 視覚:見れば覚える 免疫:多様な抗体がHIVを攻撃する 医学:HIVは動く標的 細胞:ウイルスのプロキャプシドの構造 目次へ戻る