Nature ハイライト 細胞:ウイルスのプロキャプシドの構造 2009年4月2日 Nature 458, 7238 ラムダ様二本鎖(ds)DNAバクテリオファージHK97は、ウイルスのキャプシドの成熟を研究するのに適した系である。それは、大腸菌でわずか2種類のウイルス遺伝子産物を発現させるだけでファージが形成され、in vitroで簡単に成熟を誘発して解析を行えるからである。これまでにさまざまな成熟ウイルスキャプシドの構造が決定されているが、二本鎖DNAウイルスあるいはバクテリオファージのプロキャプシドの構造は、解明されていなかった。今回Gertsmanたちが、HK97のプロキャプシドの構造を高分解能で調べた結果を報告し、感染性をもったウイルス粒子の形成につながるキャプシド集合過程についての手かがりが得られた。この構造から得られた知見は、ヒトヘルペスウイルスなどのような、HK97に似たウイルスにも当てはまるかもしれない。 2009年4月2日号の Nature ハイライト 宇宙:速やかに成長した大質量銀河 宇宙:暗黒物質の手がかり 物理:保存量になるスピン螺旋 地球:マントルプリュームの一生 生態:種が均衡しているほうが安全 視覚:見れば覚える 免疫:多様な抗体がHIVを攻撃する 医学:HIVは動く標的 細胞:ウイルスのプロキャプシドの構造 目次へ戻る