Nature ハイライト 材料:力に応答するポリマー 2009年5月7日 Nature 459, 7243 生物の世界は、機械的刺激に対して能動的・機能的に応答する材料系であふれており、それらによって、触覚、聴覚、組織や骨の成長といった生理学的過程が実現する。これに対して、ポリマーの場合は、大きな応力をかけると共有結合が切れて、損傷や破壊が生じることが多い。Davisたちは今回、合理的に設計を行った合成材料ならば、機械的応力によって材料特性を役に立つように変えられることを実証した。これは、機械的応力に応じて開環反応が起こると赤く変色する化学基を組み入れることによって実現され、塑性変形の蓄積を直接測定できた。この研究の基礎となる原理により、ほかの力応答性化学基の開発も可能になると考えられ、損傷検知から完全再生型自己修復に至るまで、目的とする機能を合成材料にもたせることができそうだ。 2009年5月7日号の Nature ハイライト 宇宙:宇宙時計の針を巻き戻す 工学:ナノ材料の小さな箱 材料:力に応答するポリマー 地球:風変わりな火山 神経:クロマチン修飾と記憶のつながり 神経:ニューロンの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 細胞:幹細胞に道を示す 細胞:マップ上の遺伝子エンハンサー 細胞:第三の伸長因子 目次へ戻る