Nature ハイライト 細胞:第三の伸長因子 2009年5月7日 Nature 459, 7243 リボソームにはさまざまな因子が結合して、翻訳開始、伸長や終結を助けている。タンパク質合成ではこれまで、普遍的に保存されている翻訳伸長因子はEF-Tu/eEF1AとEF-G/eEF2の2種類だけとされてきた。今回、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)でのタンパク質合成について新たな研究が行われ、これまで翻訳開始段階にかかわると考えられていた因子eIF5Aの役割が一転し、伸長段階で中心的な働きをしていることがわかった。eIF5Aは珍しいアミノ酸ハイプシンを含む点が特殊で、このハイプシンが伸長促進作用に必要とされる。eIF5Aがない場合にみられる異常から考えて、この因子はeEF2とともにリボソームの転位段階で作用していると考えられる。 2009年5月7日号の Nature ハイライト 宇宙:宇宙時計の針を巻き戻す 工学:ナノ材料の小さな箱 材料:力に応答するポリマー 地球:風変わりな火山 神経:クロマチン修飾と記憶のつながり 神経:ニューロンの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 細胞:幹細胞に道を示す 細胞:マップ上の遺伝子エンハンサー 細胞:第三の伸長因子 目次へ戻る