Nature ハイライト 地球:風変わりな火山 2009年5月7日 Nature 459, 7243 タンザニア北部にあるオルドイニョ・レンガイ火山は、カーボナタイト溶岩を産出する世界で唯一の活火山である。この奇妙な溶岩は、50パーセント以上が炭酸塩鉱物で、ほとんどケイ酸塩を含まない点で極めて珍しいものである。Fischerたちは、オルドイニョ・レンガイ火山噴火の際に採取された火山ガスは、このカーボナタイトが大洋拡大中心から遠く離れた位置で産出されているにもかかわらず、大洋中央海嶺に沿って噴出されるガスと、意外にもほとんど区別がつかないことを示した。このことは、異例なほど炭素を多く含むマントルがオルドイニョ・レンガイ火山のカーボナタイトマグマの源であるという説とは反対の結論となる。このカーボナタイトは、ケイ酸塩マグマと混合しないことにより浅部地殻で形成され、ナトリウム含有量が多いために、噴火条件下でも安定になっていると考えられる。 2009年5月7日号の Nature ハイライト 宇宙:宇宙時計の針を巻き戻す 工学:ナノ材料の小さな箱 材料:力に応答するポリマー 地球:風変わりな火山 神経:クロマチン修飾と記憶のつながり 神経:ニューロンの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 細胞:幹細胞に道を示す 細胞:マップ上の遺伝子エンハンサー 細胞:第三の伸長因子 目次へ戻る