Nature ハイライト

神経:クロマチン修飾と記憶のつながり

Nature 459, 7243

ヒストンアセチル化によるクロマチン修飾が、学習、記憶過程の促進因子であることは、以前の研究で明らかになっている。これは、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害剤をげっ歯類モデルに投与して行われたものだが、今回マウスでの実験で、ニューロンでのHDAC2レベルが、シナプス可塑性、記憶形成、記憶に伴う樹状突起の構造変化の誘導とは逆比例することが示された。しかし、HDAC1はそういうことはない。さらに、HDAC2は可塑性や記憶にかかわると考えられている遺伝子と特異的に結合するが、HDAC1は結合しない。これらの知見からすると、HDAC1ではなく、HDAC2を標的とする薬剤が記憶障害を伴うヒトの病気の治療に役立つかもしれない。

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